物探

 

 



 

蓮如上人五百回御遠忌法要が、ご本山でも当山でもにぎにぎしく勤められました。その蓮如上人が本願寺第八代門主をお継ぎになられたのは長禄元年(1457年)で43歳でした。それまでの本願寺は、東山大谷の地にあり、参詣者もまばらなお寺でした。今まではともすれば貴族的な様相をぬぐうことができませんでしたが、上人は祖師親鸞聖人以来の御同朋・御同行の精神にたちかえり、下の下までおりて、参詣者と膝をまじえてご信心のお話をされました。特に蓮如上人が伝道上で画期的なことは、御文章をお書きになられたことであります。親鸞聖人のご信心の様子を百のものを十にし、十のものを一にして、誰でも、聞かせていただくだけで、心の底から納得いくように、おしるし下さったのが御文章なのです。そして、日常のお勤めとして、正信偈・和讃を開版して南無阿弥陀仏の六字の名号をご本尊にされて、たくさんお書き与えになりました。

当浄慶寺も蓮如上人の直接のお弟子になられた正専坊を開基とする本願寺の末寺であります。中山道筋には昔からの御門徒さんが代々続いて、中には古い御文章や蓮如上人直筆と思われる六字名号を今も大切に伝えているのです。今まで私が調査しました法物(宝物)を紹介したいと思います。

御文章(年代は本願寺門主在位期間)

本願寺十世門主証如上人(1525年〜1553年)

1軒

東西本願寺分派後

 

東本願寺十二世法主教如上人

1軒

西本願寺十二世門主准如上人(1592年〜1629年)

1軒

西本願寺十三世門主良如上人(1630年〜1667年)

2軒

西本願寺十四世門主寂如上人(1662年〜1724年)

6軒

西本願寺十五世門主住如上人(1725年〜1738年)

1軒

西本願寺十七世門主法如上人(1741年〜1788年)

5軒

西本願寺十九世門主本如上人(1799年〜1825年)

7軒

西本願寺二十世門主廣如上人(1826年〜1870年)

7軒

西本願寺二十一世門主明如上人(1871年〜1902年)

7軒

東本願寺十六世法主一如上人(1700年)

1軒

東本願寺十七世法主真如上人(1744年)

1軒

東本願寺二十世法主達如上人(1865年)

6軒

正信偈・和讃関係

東本願寺乗如上人代(1軒)

西本願寺廣如上人代(1軒)

西本願寺如上上人代(1軒)

安政2年(1軒)・嘉永元年代(3軒)

蓮如上人六字名号

蓮如上人直筆名号(2幅)

蓮如上人筆と思われるもの(2幅)

     

 

 
本願寺代十世 証如上人(1525年〜1553年本願寺門主在位期間)代の御門徒に残る最古の御文章。九世実如上人の孫で、十歳で本願寺を継職されましたが、七年後に六角氏・法華宗によって山科本願寺を焼き討ちを受けたため、蓮如上人が建立した大坂に本願寺の寺基を移されました。実如上人が編纂された五帖『御文章』を開版し、教団の体制確立につとめられました。
 

 

これ以外にも裏書の失われたご本尊も多数見うけられました。貴重な歴史的資料にもなりますので、大切に保管されてください。

 

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