仏事のイロハ

浄土真宗本願寺派(お西)お仏壇のお飾り

ご本尊を中心とした浄土真宗のお仏壇で、最低限必要なものといえば、上からまず、お供えの仏飯器です。他宗では、お茶や水もお供えしますが、浄土真宗では お供えしませんから、茶湯器などは不要です。次に中段の前卓(まえじょく)とよぶ机には、香炉を中心に向かって右がローソク立て、左が花立て、これを三具足(みつぐそく)といい、普段のお供えで、年回法要やお取越報恩講などの特別な仏事には、香炉を中心に内側両脇にローソク立て(一対)、外側両脇に花立て(一対)を配する五具足(ごぐそく)、前卓にかけ打敷(うちしき)も、普段はしまっておいて、特別な仏事に用いるようにします。ロウソク立て・香炉・香炉台など鼎立のものは、前足が正面にくるように置きましょう。そして、リン一式。経机に『正信偈』や浄土真宗の聖典など、おつとめのときに必要な本を常備しておきます。

このほかお仏壇が中型以上の大きさでしたら、瓔珞(ようらく)・吊り灯篭・輪灯(りんとう)とういお飾りもあるとよいでしょう。『御文章』は、拝読するものとして、お仏壇正面経机の左側に備えるようにしましょう。位牌や繰り出し位牌などは、浄土真宗では用いません。故人の法名などは、法名軸に書き入れてお仏壇の側面に貼ります。詳しくは、住職にお尋ね下さい。

ご本尊(中央)に阿弥陀如来御絵像または六字名号(南無阿弥陀仏)・右脇掛に親鸞聖人御絵像または十字名号(帰命尽十方無碍光如来)・左脇掛に蓮如上人御絵像または九字名号(南無不可思議光如来)を安置します。これらのご本尊は本山で取り扱っていますので申し込んでください。

 

  

  

お仏壇の基本マナー

お供え物:浄土真宗のお仏壇には、特別に湯飲みやコップにお水やお茶を入れてのお供えはしません。上卓に一対の華瓶(けびょう)を置き、水と樒(しきみ)または青木を入れて供えます。お仏飯は本願寺派では丸く、大谷派では円筒形に盛ります。お仏壇用のお膳やナマグサもの、トゲや毒のある花は供えません。

 

お線香:線香は立てずに、香炉の大きさに合わせて二つ三つに折り、ローソクの火を移して、香炉にねかせて供えます。「燃香」という本来の作法に順じてねかせます。法事などでまわし焼香をされる時は、お盆の上に土香炉を置き、炭をロウソクから火をとって、土香炉の中心に置きます。読経が始まりましたら順次まわしてお焼香してください。

 

リン:お仏壇の前に座ると、かならずリンを叩いて合掌礼拝する人がいます。リンは、お経などのお勤めの際に、定められたところで叩くもので、むやみに叩いてはいけません。
位牌について:浄土真宗では白木の位牌は、火葬場で燃やすか、葬儀後の四十九日の間のみ慣例として使っていますが、その後は位牌はお仏壇に安置しませんし、わざわざ漆塗りの位牌を作ったりもしません。亡き人の名(法名・俗名・死亡年月日)などは、法名軸・過去帳に記入しておきます。

 

お仏壇の方角:お仏壇の方角をとやかく気にしたり、二階においてはいけない、一階に置いた場合は仏壇の上の天井に「雲」と書いた紙を貼る、兄弟姉妹がそれぞれお仏壇を安置したら霊が迷う、死者がでない内にお仏壇は購入しないなどと、お仏壇に関する迷信がいくつも世にはばかっています。一切、迷信で、気にすることはありません。一家には、心のよりどころとなるなるお仏壇をお迎えしましょう。

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